住まいるコラム

2020-09-19
暮らし発見!!住まいるコラム

 住まいや暮らしに関わる専門家がテーマに沿って語るコーナーです。
今回は、広島市西区に事務所「スタジオ アルゴ」を構える建築家の山下弘行さんが「中庭を生かした家」の魅力や工夫を紹介します。

中庭を生かした家 囲んだ空間に開放感を創出

 都心など建物が密集し、交通量の多い道路が近辺にある立地の場合、外部からの視線や物音を防ぎながら、風通しや採光性をどう高めるかが、快適な住まいづくりの課題となります。中庭の活用は、その有効な解決策の一つです。

 中庭とは、建物の内部に設けられた庭を指します。家屋や壁で囲うことでプライバシーを守り、中庭を介して光や風を取り込むことで、開放感を創出できます。

 広島県府中町の鉄筋コンクリート造り2階建ては、敷地をコンクリートの壁で取り囲み、中央から南北に2層吹き抜けの中庭が貫く住まいです。中庭に面した全ての部屋をガラス張りとし、室内から空を眺められる構造に。どの部屋にいても、中庭を通じて家族の気配を感じられるのも魅力です。

 広島市南区段原南の木造2階建ては、外壁に窓を一切設けない四角い箱のようなデザインです。敷地の南西に約12畳の中庭を設け、ほぼ同じ広さの1階リビングと段差なくつなげました。リビングのガラス窓を引き戸のように壁に収納すると、中庭と一体化し、内と外が融合した住空間になっています。

 南区段原の鉄骨造り2階建ては住宅街に立地。人通りが多いため、1階は丸ごと駐車スペースとしました。住居となる2階は四方を壁で囲った上で、1フロアに三つの中庭を並列に並べ、それぞれの間にLDK、個室、寝室などを配置。中庭を介して、棟の東から西へ、約20メートルに及び一直線に視線が抜けるため、面積以上のゆとりや爽快感を得られます。

〈府中町の事例〉

コンクリート壁の外観が印象的(右)。2層吹き抜けの中庭で空からの光を各居室に取り込む(左)。

〈段原南の事例〉

まるで白い箱を置いたような住まい(右)。中庭とリビングを融合させ、ゆとりを演出した(左)。

〈段原の事例〉

居住スペースを2階に設け、プライバシーを守る(左)。三つの中庭で居室を仕切る(右)。

担当者写真

山下 弘行さん

スタジオ アルゴ
広島市西区三篠町2丁目12-13
TEL:082(509)1286