住まいるコラム

2020-09-05
暮らし発見!!住まいるコラム

 住まいや暮らしに関わる専門家がテーマに沿って語るコーナーです。
今回は、広島市中区の「住宅デザイン研究所」の代表取締役で1級建築士の金堀健一さんが「天然木の住まい」の魅力や工夫を紹介します。

天然木の住まい 木材の性質生かし快適に

 人に優しくて心地よい。それが天然木を使った住まいの一番の良さです。理由の一つは、天然木が断熱性や吸放湿性に優れていること。例えば夏に天然木の床にはだしで立つと、足の裏の汗を吸い取ってくれるため、ひんやりとして快適。冬は室内の熱を逃さないので、はだしでも温かさを感じます。加えて、天然木にはフィトンチッドという香り成分が含まれており、自律神経を安定させる効果があるといわれています。年月を経るほど、古びた味わいが生まれ、愛着が湧くのも魅力です。

 天然木には、スギやマツ、ヒノキなどの針葉樹と、ナラ、サクラ、タモ、クリなどの広葉樹があります。居間など、家族やゲストが集まる客間の床や壁などは堅いくて傷つきにくい広葉樹を、寝室や個室などは柔らかくて足触りの良い針葉樹を使えば、居住性はさらにアップします。

 山口市の木造2階建ては、柱や床にスギをふんだんに使用。2階は屋根の勾配を生かした開放的な造りが魅力です。天井に吸放湿性の高いスギ板を張り、屋根の下地との間に断熱材と通気孔を設けることで一年を通じて快適な空間になりました。広島県府中町の木造2階建ては江戸時代に建てられた古民家を再生。1階は納戸と居間を一体化させ、マツの梁(はり)としっくいの壁に包まれたLDKに。元々あった水屋をテレビボードに造り替えるといった工夫も加えました。最後は、広島市中区のマンションリフォームの事例。3LDKを大空間1LDKに改装し、床にスギを張りました。

〈山口市の事例〉

1階リビング(左)。子どもの身長を測り、印を付けられるよう、スギの柱に。南窓に隣接する大きなウッドデッキは遊び場にもなる。2階(右)の天井高は約4メートルあり、伸び伸び過ごせる。

〈広島市中区の事例〉

マンションリフォーム。床をスギに張り替えるだけで、雰囲気も暮らし心地も大きく変わる。

〈府中町の事例〉

古民家再生。既存の家具を生かしながらリフォーム。キッチン(左)はナラ材を使ったオーダーメード。

担当者写真

金堀 健一さん

住宅デザイン研究所
広島市中区大手町2丁目5-11
TEL:082(541)3100