住まいるコラム

2020-06-20
暮らし発見!!住まいるコラム

住まいや暮らしに関わる専門家がテーマに沿って語るコーナーです。
今回は、広島市中区に事務所「小松隼人建築設計事務所」を構える建築家の小松隼人さんが「庭のある家」の魅力や工夫を紹介します。

庭のある家 複数の庭で通風採光アップ

 内と外をつなぐ半屋外的空間である庭は、緑や光、風などの自然を身近に感じさせ、暮らしに潤いを与えてくれます。

 例えば敷地の南側に庭を置くと、住宅棟は反対の北側に寄せて配置するのが一般的です。間取りは、庭に面した側に大窓やLDKを置き、北側の奥に個室などを並べるようになります。この場合、LDKに光と風が入りますが、奥の個室には届きにくくなるのが難点です。そこで、通風採光性を高めるために、敷地の中に複数の庭を設けるプランを提案することが多くあります。

 愛媛県伊予市の木造2階建ては、敷地の南側と中央にそれぞれ庭を設置。住宅の棟も二つに分け、「南庭→南棟→中央庭→北棟」と、光が降り注ぎ、風が通り抜けていくよう工夫しました。庭を二つに分けると、それぞれのスペースは狭くなるものの、南庭は芝生を敷き、食事などを楽しめる活動用の庭、中央庭は植栽を施した観賞用の庭と位置付け、使い分けています。

 岩国市の木造2階建ては、南端、北端、西端、東側中央部の4カ所に庭を設け、各庭に接するように市松状に四つの棟を配置。どの棟からも窓越しに庭を眺められ、光と風が入る造りになっています。

 広島市中区の木造2階建ては、1階が道路に近く、十分なスペースが取れなかったため、2階のバルコニーを庭に見立て、植栽で覆いました。バルコニーの背後にそびえる山の緑と重なり、庭園のような雰囲気と静けさに包まれています。

〈伊予市の木造2階建て〉

伊予市の木造2階建て。庭を二つに分けることで、家の隅々に光や風が行き渡るよう工夫。南側の庭はアウトドアリビングとしても活用。

〈岩国市の木造2階建て〉

四つの庭と四つの棟を市松状に並べる。どの部屋からも庭を眺めることができる。

〈広島市中区の木造2階建て〉

眺めの良い2階にLDKを置き、バルコニーを庭として活用。

担当者写真

小松 隼人さん

小松隼人建築設計事務所
広島市中区江波東1-12-32 古本ビル2階
TEL:082(208)1645